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<ネタバレ>同じアンリコの名作「冒険者たち」が輝かしい夢・青春へのレクイエムとするならばこの映画は見果てぬ夢を愚直にまで追い求めた男のエレジーか。禁酒法の時代にカリブ海で酒の密輸に関わっていた男が無声映画で見たヒロインにあこがれ、ふとしたきっかけで彼女と出会い恋におちる。ここまでならこの映画は4点くらいの評価でしかないのであるが、この点数は何と言ってもラストのシークエンスに至るまでがとても良く出来ている事に対して。彼女と別れ投獄、幾月が経った後釈放され(すでに禁酒法は終わっている)酒を飲んだ後入った映画館で見た彼女の歌(「愛の歓びはつかのまの~」)。正直バルドーには演者としての魅力をこれまでは感じていなかったがこれで少し見直した。でもそれ以上にやっぱり良いのはL・バンチュラ。この人「哀愁」の醸し方に関してはベルモンドやドロンにない品の良さを感じる。