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<ネタバレ>大平原や砂埃・牧場といった西部劇に良くある情景を排除し、最初の山岳地帯から始まる追跡シーン・そして山の斜線=不安定な位置を活用したショットにただならぬ緊張感・不安感を感じる。そして「不安を抱えた」雰囲気で統一されている役者陣の中で一人不気味な行動を行う悪漢ライアンの演技は素晴らしい。現代にリメイクされたら多分もっとサイコ犯的な色合いが強くなるのだろうが、「たたずまい」という意味では真似出来ないだろう。そんな「不安の旅」に西部劇には考えられない「雨」の要素・洞窟での雨宿りと食器への雨音をバックに会話する主人公とヒロインの描写=安心感を与え、作劇中まさに緩急を使い分けた監督アンソニー・マンの巧さが分かる。マイナス点はまさに下の放浪紳士チャーリー様が述べられている、地理上の「過酷な道行き」が想像出来にくい事で登場人物の心情に観客が同化しづらい点、そして「妻に裏切られ、再起するためにお尋ね者を追いかける」主人公に役者スチュワートがはまりづらい点じゃないか。いや確かに力演なんだけどさ。[良:1票]