<ネタバレ>金もあり、女にも不足せず、尚且つ凄腕のスーパー・スパイ、デレ .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>金もあり、女にも不足せず、尚且つ凄腕のスーパー・スパイ、デレク・フリント:という触れ込みで始まるこのスパイ映画の冒頭、ジェームス・コバーンの空手の型から(なにせ彼は一応ブルース・リーの弟子だし)「多分、この人は煩悩溢れすぎて『感じるよりも考えやすい』キャラなんだろうな」と観客に思わせてしまう位の緊張感のなさがこの映画の魅力なんだと思う。敵の組織に侵入する方法として「自分の心臓を止める」という民明書房にやり方が掲載されてそうな体術の持ち主にも関わらず、美女を侍らすフリントは下腹部がぽっちゃり気味でビキニパンツを着用、というある意味拷問なシーンもあり。しかも結構長い時間。 後年の「オースティン・パワーズ(’97)」シリーズは007というより、この映画にインスパイアされたんではないかな?と思うのですが如何でしょうか。 ...でもってこの映画を日本人にとって更に記憶に残したのはコバーンの吹替えフィックス、小林清志さんの演技力。毒針に付いていた料理の匂いから「ブィヤベィ~ズ!」=フランスからの刺客、と叫ぶコバーンは眉唾ものなんだが、小林氏の声で「ブイヤベースだ!」と言われるとなんか説得力が増す。贔屓目もあるが、コバーンの軽妙洒脱さをより強調する事でこのある意味くっだらない作品をちゃんと成り立たせてしまう「声優マジック(小林氏ご自身はあくまで「俳優」としてのスタンスを保ち続けられていましたが)」を堪能できる作品として、この点数。氏自身も印象的な吹き替えとして挙げておられるこの作品をもって、追悼文とさせていただきます。小林清志さん、本当にお疲れさまでした。 [良:1票]