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<ネタバレ>子供向け『失楽園』または『高校教師』といった印象。ただ、これらの作品と違って“許されぬ”愛(この場合は友情、または同性愛?)を肯定した結末です。それだけに自分は本作を支持できません。単純に「2人は友達でいられて良かったね」では無責任だと感じます。2人が選んだ“コミュニティを放棄する”という選択は、単に“今所属しているグループからの脱退”という意味ではありません。新たに所属できるグループは有りません。いわば世界を敵にまわす行為。『失楽園』や『高校教師』レベルでも行き着く先は悲劇。これらより“許されない”度合いでは数段上(何故なら“生”の根幹を揺るがす行為だから)のガブとメイがこうも簡単にハッピーエンドでは納得できません。(正確にはハッピーエンドではないのに、あたかもハッピーエンドのように錯覚させていることが問題。)それに“雪山の先の森”は実在するのでしょうか?物語上では確かに存在しました。しかし、それは単なる森であり、今まで2人がいた森と何ら変わりません。2人の存在を受け入れるものではありません。そんな森があるとすれば、それは天国でしかありません。そのことを2人は理解していたからこそ、死を賭して雪山を登ったわけです。つまり途中で死んでも、森にたどり着けたとしても、結果は同じだから。“生に勝るものがある”という価値観を安直に提示する姿勢に疑問を感じます。細かな心配りと確固たる信念なくして、本作のようなテーマを扱うべきではないと思います。子供、ファミリー向けであれば尚更です。