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<ネタバレ>高熱や湿疹が出るでも、血が吹き出る訳でもない。ただ壊れて死を選ぶ。理由は分らないが、とにかく此処に居たらダメだ!この“得体の知れなさ”が恐怖の源。分らない事が怖いのです。この観点から『植物毒素説』を捉えてみるのが面白い。極限状態の中で主人公が導き出した仮説には、何の根拠もありません。空想・妄想の域を出ない。でも彼らには「指針」が必要だった。神や仏に縋るのと同じように、自然科学者である主人公は「自然界の理」に救いを求めたのだと思います。彼らが助かったのは、結果的に仮説が正しかったからではなく、自らの意思で行動したからだと感じました。誰かに自分の命を託したりしなかった。友人の娘の存在も大きい。子を守らなくてはいけない使命感は大きな力に変わります。「絶対に死ねない」意思を持った人間は死んでいません。(娘を託した父親は半ば諦めていると言えます。)そういう意味では、主人公たちの最後の決断には少しガッカリしました。愛情は美しいと思うものの、まだまだ諦める段階ではなかったのに。事象のメカニズム(解釈)については、ご指摘のレビュワー様もおられるように、人間の負の感情を察知して植物たちは攻撃を加えていたのだと考えます。恐怖・怒り・焦り・絶望…集団が大きいほど、負の心のエネルギー総量も増す。なお動物たちに影響が無かった事から、毒素は人間特有の“自殺欲”を刺激する仕組みと推測します。幼子には無効。植物にとっての脅威は“負の感情を持った大人“なのだから。構想は素晴らしく、印象的なカットも豊富。悪くないと思います。なかなか考えさせられる映画でした。