<ネタバレ>洋上というナチュラルな監獄の中、何時殺されるとも知れない人質 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>洋上というナチュラルな監獄の中、何時殺されるとも知れない人質体験は、掛け値無しの“地獄”と言っていいでしょう。主人公は頭も良く精神力も人並み以上と見受けられましたが、それでも耐え切れるものではありません。もはや発狂寸前。運よく救出されたとしても、廃人は免れない流れ。ところが、エンディングでその後海上勤務へ復帰したとのアナウンスが。まさに、事実は小説よりも奇なり。それにしても、主人公救出直後の海軍女医の対応の冷酷なこと。相手を思い遣る気持ちなど微塵も感じられません。しかしその一方、船長を無事救い出したのも紛れもない海軍の能力。プロフェッショナルの厳しさと凄みを見せつけられました。日本では期待出来ない、してはいけない、それが我が国の選択ですが、考えさせられるものがありました。「こんなことしなくても稼げる」と諭す船長に「アメリカならな」と答える海賊の言葉にしてもそう。世界は広いです。様々な価値観があり、観点があり、正義と悪があります。そんな事を考える切欠になっただけでも、(私にとって)この映画には価値がありました。