サイレント期のドイツ映画はどれも素晴らしい。ドイツ表現主義の .. >(続きを読む)[良:1票]
サイレント期のドイツ映画はどれも素晴らしい。ドイツ表現主義の映像の迫力は、それだけで言葉を必要としない。この作品の大掛かりなセット撮影にしても、平衡感覚を失った前衛的な建築物のデザインには驚かされる。数多く見られる実験的なマスキングも興味深く、チェザーレが女の部屋に忍び込むシーンでは、斜めの構図を思わせる菱形のマスキングが施されている。全てが効果的なものばかりではないが、その模索が感じられる。カフカ的な悪夢を映像化したストーリーもこの時期らしい。一方で、ソニマージュとして完成されている音楽との調和には編集技術の高さも感じられる。この作品自体が傑作というわけではなく、後の傑作を支えた重要な足跡じゃないかと思う。[良:1票]