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<ネタバレ>実際の事件(参考:http://ifinder.jugem.cc/?eid=190)とは大分違うが、この事件をそのまま描いたらすさまじく陰惨な映画にしかならないことは想像に難くないので、この程度の描写が限界だっただろう。そうであっても、この映画が描き出している事柄は重い。
■この映画での長男は、並大抵の大学生よりはきっと「大人」だろう。誰かにやさしくしてもらいたいくらいの年頃で、誰にも頼ることもできず、一人で3人の弟・妹の面倒を見続けてきた。(頼ってくる人はいても)頼れる相手がいないという意味では「孤独」だったのだろう。一方の弟・妹も、(恐らく)生まれてから一回も外に出たことがないような生活を強いられるというのは想像を絶する。
■子供を産むということは、それだけ責任を伴うということだ。それまでは自分の好き勝手に生きることを許されていただろうが、親になってしまえば自分を頼ってくる子供がいるのであり、それに答えられる人間に親はならなければいけない。この映画の母親は、そのステップを踏みそびれてしまい、「のんきに遊んでいられる一若者」の精神で子供を次々作ってしまったのだろう。
■ただ、映画の展開としていくつか気になるところもあった。例えば、途中からかなり尽力してくれる紗希が中学で激しいいじめを受けているという設定があまり生かされていないように感じた。彼女は数少ない外側の世界との接点なのだから、そこはもっと踏み込んでもよかったと思う。[良:2票]