<ネタバレ>山で起きた事故の死体を動かし、移動しながら、カメラを構える場 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>山で起きた事故の死体を動かし、移動しながら、カメラを構える場面。映像がドキュメンタリーからフィクションに変わる瞬間。物や映像を盗むものから、生み出すものに変わる瞬間。事件をただ外側から受容するものから、事件の内側に入っていく瞬間。
そこから撮ることが特権化し、被写体に対する優位性が、そして自意識が誇大化していく。
同時に反比例して倫理や道徳という人間味が欠落していく。
その臨界点で起こる最悪の結末。しかし、そこで生み出されたものは同時に美しい芸術であり、究極のプロフェッショナルが辿り着いた結末ともとれる。
そして間違いなく彼が一番輝いた時でもある。
魅力的な映像を撮る事、魅力的な何かを生み出す事の代償(大なり小なりあれど)から目を反らすことなく、最後まで真摯に向き合っていた。
そして、その代償も含めたものこそが観客が求めているものではないのか?と訴えかけるかのような、ラストの尋問室での主人公の監視カメラへの視線にゾッとした。[良:1票]