今まで霊をこちら側から撮っていた監督が、ついにあちら側からこ .. >(続きを読む)
今まで霊をこちら側から撮っていた監督が、ついにあちら側からこちらを撮っているという感覚になった。
霊を恐怖の象徴でなく、救い、癒しの象徴として描いていること。生きている人間(瑞希や朋子)の中に恐怖を感じさせていること。作品全体を包む幻想的な雰囲気、町並みからそれを感じた。
死者と生者が境目なく存在する世界の舞台の中で、監督自身が、どこか人間と距離を置き世界を俯瞰して見つめる生者でも死者でもない存在になってしまったとさえ感じた。その変化にはさびしさも感じたが、今までのどの作品よりも優しく、温かく、懐が深い作品だった。