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<ネタバレ>ギレルモ・デル・トロ監督は、多くの作品で共通して、幽霊や普通の人間とは異なる異形なる者を負の象徴や恐怖の対象としてではなく、人間を導く者、救う者として描く。
そして同時に、それらが良き事をどれだけしようとも、真の意味で救われてはいないという悲哀も映す。
世間では普通、優れているとされている人間に対する憎悪や劣等感、憧れ。
異形なる者への底知れない愛情。
しかしその愛情は決して盲目的なものではない。
大多数である普通の人々の中では、異形なる者は陽の目を見る事がないかもしれないという無慈悲な事実を常に客観した視点で捉える。
その自己批評を含んだ客観性があるからこそ、内輪向きではない作品の魅力に繋がり、詩的な情景、映像美と相まって悲哀はより増す。
そして共通する思いを感じ生きる自分の心にいつも響いてくる。