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<ネタバレ>全ての行動が「生きる」ということへの執着に溢れていた。それは食べる事、水を飲む事、移動すること、寝る事、生きる残るために人を殺す事、息をする事。
これほど生々しく、そして痛々しく、生を描いた作品は今まで観たことはない。
そして、ショットを多彩に駆使しながら、自然と人間との相関関係を客観的に捉え続ける視点。
瀕死状態のグラスを徹底的にローアングルのクローズアップ(観にくく、窮屈な印象)で映し続け、自然と折り合いをつけながら、生きていくようになるにつれ、カメラアングルは引いていき、観やすく開放的な印象に変わっていく。
そして時折、全てを俯瞰して捉えた視点が挟まれる。
カメラ自体が、生きているようだった。カメラの視点が人間に対する、自然の距離感を表し、それは超越的な神の視点のようにも感じる。
台詞が少ない中で、映像、音楽、効果音で物語を魅せる凄さ。
寒さや飢え、痛み、孤独を画面の中から感じる事で、本当の意味での体感型映画を体験することができた。[良:1票]