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<ネタバレ>ゾンビとの戦いというより人間同士の争いがメインに置かれているような内容でした。閉鎖された空間の中で、恐怖感から発狂するミゲル、ゾンビに人間愛に近い物すらを抱く博士、自尊心は強いが部下を大切に想うローズ大尉、ただ一人の女性で精神的に限界に近い状態で戦い続けるサラ。それぞれの人間が己の中の正義や欲望を主張することによって、少しずつ少しずつ関係に亀裂が生じていき、ついにその均衡が崩れる。それは誰が悪い、間違っているとかではなく、ゾンビを飼いならすことによって生き残ることを考える博士も部下をあんな姿にされて激昂する大尉の気持ちも理解できるだけに余計にやるせなさや絶望感が増し、それがよりリアルになったゾンビメイク、殺人描写と相まって異常に強い恐怖感を抱きました。生き残った三人にしてもいつまたゾンビが忍び寄ってきても不思議でない状態、世の中的にはただ終末に向かっていくだけの状況を考えてもまた然り。今までたくさんの映画で語られている事ですが、人間同士の争いを見る度に本当に怖いのは人間の心なのかと痛感させられます。