平成ゴジラの最高傑作といえば、文句なしにこれを挙げたい。バイ .. >(続きを読む)
平成ゴジラの最高傑作といえば、文句なしにこれを挙げたい。バイオ技術に始まる生物工学や自衛隊の世代交代、更に最新鋭コンピューター導入によるデジタル化の推進、そしてゴジラ映画の源である核兵器の恐怖という様々なテーマがたった1本の映画に全てつぎ込まれ、しかも軽やかにまとめあげられているのは見事としか言いようがない。更に前作で欠落していた娯楽性を織り込んだ点でも評価でき、ゴジラ対ビオランテの戦いは勿論、スーパー2や抗核バクテリア、メーサー車などの架空兵器が現実の護衛艦や74式戦車と違和感無く画面に溶け込む特撮演出は川北監督のセンスの賜物である。そして全編に渡って鳴り続けるすぎやまこういちの音楽が伊福部昭の音楽と共鳴し、ゴジラとビオランテ、自衛隊の戦いを最高潮に盛り上げる。実に素晴らしい。子供の頃は、その難解なストーリーが正直理解できず、終始熱い特撮場面に興奮したものだが、大人になってテーマ性を理解して本作を見直したとき、その奥深さに驚いた人も多いのではないだろうか。やはり、真の子供向け娯楽映画というのは、“一粒で二度おいしい”ものだと私は思う。