公害をテーマに扱い、ひたすら敵怪獣・ヘドラを恐怖の対象として .. >(続きを読む)
公害をテーマに扱い、ひたすら敵怪獣・ヘドラを恐怖の対象として描いた意欲作。そのためか、人間が死ぬシーンがいっぱい出てくる。しかも冒頭からヘドロにまみれたマネキンが出てきたり、工場の煤煙、光化学スモッグなどありとあらゆる公害のキーワードを、これでもかと気持ち悪く描いている。いつからか「恐怖」というアイデンティティーを忘れてしまったゴジラ映画にそれを呼び戻した点は評価したい。傷だらけの中で戦うヒーローとしてのゴジラ像もまた捨てがたい。しかし、子供向けなのにも関わらず、全編に渡る沈鬱な雰囲気はいかがなものか。見終わった後の後味は、恐らくシリーズ28作中最悪なものだと思う。なのでどうも好きになれない作品。怪獣映画というのは、恐怖映画なのか、娯楽映画なのか。その問題提起を初めてした作品ではないかな。