<ネタバレ> 「たそがれ清兵衛」ほどのインパクトは無いけれど、山田洋次監 .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 「たそがれ清兵衛」ほどのインパクトは無いけれど、山田洋次監督の藤沢周平三部作の最後を飾るにふさわしい良作と思いました。
この三部作は、従来の様式的な時代劇を否定する側面と、数々の日本映画の名作へのオマージュが、混在していました。
この作品も松竹らしい小市民的なサラリーマン映画、もしくは薄櫻記や拝領妻始末、必殺仕掛人の地獄花のような、過去の名作映画を思わせる内容で、なつかしく感じる人も多いと思います。
木村・檀・笹野の作り出す空間は、セット撮影ということもあり、極めて濃密な演劇的な空間であり、実際、今後明治座にかかっても違和感は無いと思います。
もったいないのは、ここでもいくつか指摘があったとおり、結末がちょっとクドく感じたこと、飯炊き女を新しく雇ったという台詞だけで観客のほとんどはウルウル来ているのに、その後が長いので、最後はかなりテンションが下がりました。
結末だけなら鬼の爪が一番だと思った次第です。