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「春の日のヒトラー」のイメージがまずあって出来た話じゃないかな。ショービジネスとナチって、大衆相手(大衆操作)というところで似通っている。風刺とか皮肉とか言う以前のこの「似通ったイメージ」をなんとかしたい、という作家としての欲望がまずあったのではないか。目的のある明るさ。冒頭の失敗した新作、「またちゃんとつまらなかった」と皆が笑いながら出てくるところがおかしい。『バンド・ワゴン』はファウストだったが、これはハムレット。ミュージカルナンバーとしては、ばあさんたちの歩行器も使っての群舞が印象的。どうってことはないんだが、牢の中でそれまでのあらましを歌い演ずるのが、おかしい。ブロードウェイミュージカルをシンシンに置き換える。