<ネタバレ>正月映画らしい道具立てで、忠臣蔵の七段目をベースにしたような .. >(続きを読む)
<ネタバレ>正月映画らしい道具立てで、忠臣蔵の七段目をベースにしたような一編。もっとも大石はリコウがバカの振りをして浮かれていたのに対し、俺たちゃバカがバカやって、とぼやいたりはする。お蝶の百ヶ日までは我慢して、その後で千葉信男との対決という寸法。「バカ」というのは「企てる」のが下手、ってことだろう。だとするとフグ中毒を偽装するのはあんまり合ってないことになるのだが、バカがバカなりに企てて、という面白さと思えばいいのか。バカは間が持たない、とも言う。佐太郎が小料理屋を開く、大政の妻がやってくる(武家言葉とのちぐはぐさで笑わせる落語的要素)、など「周囲のその後」で話の隙間を埋める。千葉信男の手下たちが夜の街を巡礼の鈴を鳴らして走り回る妖しさ。やはり久慈・越路の姐さんたちが決まっていて良い。最後、尻もちをついている久六に対してイットーサンたちが割りゼリフで決めるのも、歌舞伎的で正月映画らしい。