ひょんな偶然から美人の訪問を受け、なんか騙されてるんじゃない .. >(続きを読む)
ひょんな偶然から美人の訪問を受け、なんか騙されてるんじゃないか、大仕掛けな罠なんじゃないか、という不安につきまとわれる税理士。恋愛心理の疑心暗鬼をたどっていれば、そのままサスペンス映画になってしまう。だからこれ、ヒッチコックの「めまい」に音楽が似てたのも、偶然じゃないかもしれない。子どものころのおもちゃが守る部屋に閉じこもって、こわばって美人に対する主人公が、けなげというか何というか。この監督の映画でしばしば見られる、男の純情を強調するための退行現象。鼻につきそうなぎりぎりのところでうまくユーモアに溶かし込んでる。サンドリーヌ・ボネールにああ優雅にタバコ吸われちゃ、男なら誰でもこわばって退行します。