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<ネタバレ>両論併記的な結末となるが、ぎりぎりに絞った果ての結論なので安易さは感じられない。自爆テロは結局イスラエルに殺す理由を与えてしまうだけだ、が一方。それはそうなんだけど、なら圧倒的な軍事力の差の前で何か具体的な打開策があるのか、がもう一方。どちらも相手の言い分を否定し切れない辛さが、現在パレスチナが立たされているまさにその地点の辛さなのだろう。この映画、自爆テロリストとなっていく青年の心情には同情を寄せながら、送り出していくシステムの非情さはくっきりと描いている。「君は選ばれたんだ」と口では持ち上げておきながら、殉教ビデオを撮るときはナンみたいなものを食べながら見ているいい加減さ。そして殉教ビデオはレンタルされて別途収入になっている。日本だって、さかんに特攻をあおった上官の多くは戦後軍人恩給で楽しながら天寿を全うした。大義は、いつでも若者ばかりを死なせていく。