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<ネタバレ>資本の論理と宗教の倫理がアメリカの二本の柱で、それが狂ったのが現在の状況、ってことを言ってる話なら納得できるけど、もひとつ焦点が分からない映画だった。主人公と狂信家、たしかにどちらも個性の強いキャラクターだが、モンスターって言うほどではなく、なんか二流なんだな。主人公も財を成したけど、けっきょく最後に勝ち残るのは、あのレストランで隣のテーブルにいたような都会的で垢抜けた連中のほうでしょ。宗教屋のほうも、財の蓄積に失敗して滅んでいく。どちらもコツコツやる庶民を最初から呑んでかかってくヤリ手なんだけど、モンスターとして抜きんでていくだけの力量はなかった。ニセの息子を作っても、ニセの弟に騙されてしまう。家族を求めても、うつろなシンメトリーが際立つ家だけが残る。それとも、私たちは二流だったというアメリカの反省の映画なのかな。よくわかんない。この監督の才能、アルトマンもどきのときも半信半疑だった、なんかありそうなんだけど、まだ私はつかみきれない。弦楽器のみの音楽(ときにバルトークのような、ときに湯浅譲二のような)はいい。