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<ネタバレ>主役のおっさんが実にいい。どこにいても感じてしまう居心地の悪さを、はにかみ笑いを絶やさないことでごまかそうとしているような風情。というか、この人たぶん人生そのものに居心地悪く感じているのだろう。ある時期のマルチェロ・マストロヤンニが漂わせていた雰囲気すら思い出させる。人生の悲哀と、それゆえの味わい。そういうおっさんと、これまた何かにじっと耐えているようなブサイク犬(犬のくせにトラウマ持ち)とのコンビで、哀愁が掛け合わされるとマイナスとマイナスでプラスになるように、滑稽が生まれてくる。詳しくは言えないけど、犬と再会する場面が傑作で、映画はどんな突飛なシーンでも、そこへの持っていきようで感動させることができるという見本のような場面だった。[良:2票]