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<ネタバレ>前半は夜のドラマ、夜の街よりも夜の住宅地のほうが怖いのだった。街はとりあえず公共の顔をして門を開いているが、住宅地にあるのは閉じたドアと壁、中には家族の笑顔もあるだろうが、おぞましい世界も潜んでいる。そのおぞましいものがときおり路地に抜け出し、追跡が始まる。閉じた家から開いた都市へつなげている路地が、迷路のように延びている。追うのが走るのに似合わない太り気味の中年男、ってところに迫力があり、それがこの映画のすべて。配下のちらし配り男(リアリティあり)も走る。主人公は女を危地に至らしめた贖罪で執念を燃やすのだが、さらに子どもに母親を取戻すという要件も加わる。それで説得力は膨らんだかも知れないが、ドラマの輪郭はやや緩くなってしまったような。この手の犯人の気味悪さもちょっと型が出来つつあって、新鮮味を出すのが難しくなってきている(という社会も困ったものですが)。警察の対応が無能すぎないか。[良:1票]