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<ネタバレ>ポイントがラストに詰まっているので、途中ずっと楽しめるわけではない。ラストの全員がつながっていく場はたしかに楽しいが、それで十分借りを返してもらったかというと、微妙なところ。でもこれらの登場人物たちが、みなちゃんと「立ち向かった人たち」の系譜にもなっていて、それが終末願望の人との対比になってるのが、いたって健全だった。終末願望者のセリフ「あきらめちゃダメだ、世界の終わりは必ずやってくる」って、現代人にはけっこう身近にある気分で、そもそもこういう「正義の味方」のホラ話を求める気持ちがあるってところに、自分のやってることに無力感を持ちがちな現代のつらさがうかがえる。社会が複雑になりすぎていることによる埋没感、あとは未来に価値が出るかもしれないという希望しかないわけだ。うっかりすると無差別大量殺人で存在感を確認したくなったりする者も出てくるわけで。そのなかで嫌みなく「立ち向かう人たち」を描いたところに意味がある。車でカセットの無音部分を聴くところ、あそこはワンカットで長回しで緊張させたいな、だってあとの録音一発どりのところはけっこう長く回してたじゃない、あそこで出来るんならこっちでも出来たろうに。