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<ネタバレ>『愛のむきだし』における渡部篤郎が、どこか演技に自信なげで、こんな感じでいいのだろうか、と自問しながらラジオ体操をしていたのに比べ、こちらの志垣太郎はさすが、堂々と悪役を迷いなく演じきり、年季の違いを見せつけた。そして生田悦子、私は随分久しぶりにお会いしたが、ほとんど草笛光子になっていて粛然とさせられた。で作品内容ですか。んー、竹林で看護婦が唐突に迫ってきたあたりなどに、この監督の匂いを嗅いだな。とりわけ看護婦がやられた後で肩車して二段になった天狗女らがゆっくりと手を水平に広げていくあたり(観てない人には何のことか分かるまい)。芸者カツラのヒロインが三味線をジャジャ弾きしながら戦車になって走り出すあたり(観てない人には何のことか分かるまい。観てたってよく分からないのだ)。まあそういう映画なのだが、前作のセーラー服には監督の熱烈な執着を感じたのに対し、こちらの芸者は取り敢えずの題材という気配で、もひとつ製作者側のノメリコミが欠けていたような気がする。さして必然性なくヒロインたちにルーズソックスのセーラー服シーンを与えていたっけ。まあほとんどのシーンに必然性はないんだけど。