シェイクスピアものってのは、いわば落語を聞くときの心構えにな .. >(続きを読む)
シェイクスピアものってのは、いわば落語を聞くときの心構えになるわけで、ストーリーは知ってるから、その語り口で芸を見してもらおうじゃねえか、ってとこ。でもこの監督は真面目にストーリーを語っちゃうんだな。でまた、メル・ギブソンが真面目。あの人はイギリス連邦のオーストラリア出身だからか、なんか女王陛下の臣として真面目方向で、英国の国民戯曲に対処しちゃう。移民の国の人たちは、どうも故郷ヨーロッパにコンプレックスが強いらしくて、マックィーンは最後にイプセンやってたし…、国の問題ってよりも、アクション映画出身スターのコンプレックスなのかな。マッドマックスやってた男がハムレットやる面白さを狙えばいいのに、「シェイクスピア役者」の堅苦しい型に入っちゃって演じている。でもやや明るいフーテン的な線を狙ってたか。ラストの決闘でもちょいとオドケを折り込んで軽みを出そうとしてたり。