キューバ危機の不安の中のアメリカの一断面。あの「イキイキと不 .. >(続きを読む)
キューバ危機の不安の中のアメリカの一断面。あの「イキイキと不安だった季節」はアメリカにとっても特別な日々だったよう。なにか浮き足だっていて、それが子どもにとっては祭りのようなハレのはしゃいだ気分に通じている。パパが戦争に巻き込まれつつあるかもしれないという不安と、パパのいない解放感。漠然とした核の不安を、B級ホラー映画が「恐怖ごっこ」に変えてしまう。ガールフレンドになる子、こんなこと(核対策)したって意味ないわよと醒めてる子、健全映画を観る会、詩を書く不良、これらの人々が土曜の午後へ向けて一歩ずつ世界を織りなしていく。バックには懐メロが流れ。核の恐怖に取り付かれている劇場支配人。満員の二階席。シェルターに残った二人っていうのは、世界に二人だけになってしまうという恋する若者の甘い夢でもあり、時代の不安の悪夢でもあり。