パターンに徹するその臆面のなさを、勢いにしている。ストーリー .. >(続きを読む)
パターンに徹するその臆面のなさを、勢いにしている。ストーリーは決められたコースの上を完璧に制御されて走っていく。冒険にチャレンジする若者、どんどん美しくなっていく娘、策略を弄する体制、伝説の父親(ダメな父と強い母がいて、その父とつながっていくハムレット的構図)。ダンスと感情を並行させる。いさかいのときのタンゴ、恋が芽生えるルンバ、そして意志の塊のようなフラメンコ。ダレそうなとこになるとフラメンコの伝授などがあって、見せ場見せ場をつないでいる。画面をいじくりすぎるのは、やがてこの監督の看板になっていくわけ。父親に関する回想シーンなんか面白かったけど、ダンスそのものの面白さはあんまり出てなかった。ソツはないけど、いい若いモンが作るなら、もっと本質的なところで冒険をしてもらいたかった気がする。まあそのためにやがてハリウッドに進出できたわけか。