老婆の語りということで、何らかの物語的変形が加えられている可 .. >(続きを読む)
老婆の語りということで、何らかの物語的変形が加えられている可能性があるわけ。本当にあったこと・こうしてやりたかったこと・こうであるべきだったこと、が混ざりあっている妄想世界としての豊かさがある。マイブルーヘブンが流れ、完璧だった兄の死によって女の友情が代理として浮かんでくる。ただこのヒロインがあんまり魅力がないんだ。「野生児的問題児」なんだけど、生命力に欠ける。南部というとKKKが出てくるんだな。対する現代編、とりわけK・ベイツの家庭が薄っぺらで減点。ふたりのオスカー受賞作品にちょっとずつ触れるのがあちらの敬意の表わし方なんだろう。「ホラー映画のデブ女じゃないの」とか「町に車で出て行くとき…」とか。ホラ話で良かったのは「カモが飛来した日に寒くなりみな脚が凍りついてしまい、湖ごと飛び立った後に窪地が出来た」っての。