一番楽な解釈は「記憶とはこうあやふやなものです」なんだけど。 .. >(続きを読む)
一番楽な解釈は「記憶とはこうあやふやなものです」なんだけど。去年のことか今年のことか分からなくなる迷宮としての庭園と建物。ラストで逃げようとする二人が今年なのか(去年だったらこうして今年出会う必要がない)、それならそれを回想している話者は、いつの時間に所属しているのか。手すりから落ちた男、夫に撃たれた妻は誰の想像なのか、などありまして、結論のない推理小説なのだ、と割り切ってしまえれば、一番いいのだが。引き出しから写真が出てきて…なんてあたり、ゾクッとする瞬間は多々あります。ゆったりとした移動の美しさは、間違いなく実感。フランス語ってのは、こういう元気のない映画にはピッタリですなあ。