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<ネタバレ>音楽がエンニオ・モリコーネ。『1900年』的なオーボエの歌から始まって、スタッカートのコーラスで盛り上げていく。歴史や政治など硬めの題材を背景にした映画ではとりわけこの人の曲が似合う。『死刑台のメロディ』の歌も好き。『ソドムの市』の、あたかも上品なサロンで流れているような音楽も大好きなんだけど、これは硬めの歴史ものってのとはちょっと違うか。またこの映画では音楽ってのが、そもそも一つのモチーフになっている。宣教師の布教の手段としての音楽が、けっきょく歴史を見ると、布教が音楽文化を伝播するための手段になってしまった、っていう皮肉のようなこと。「慈しみあふれる愛」がどうのこうのと言われると反発を持ってしまうが、異文化の接触という点に重点をおけば、歴史の普遍を描いている。異文化がぶつかりあうことによって、たしかに一方では今までサーベルなど持ったことのなかった楽園に悲惨がもたらされたが、また一方ではヴァイオリンが伝わった(なにもインディオの音楽と西洋音楽との間に優劣をつけてるわけじゃなく、あくまでこうして文化は多様化していくってことで)。もっともその後にはキリスト教文化由来の和声が世界を覆い尽くしていったわけだが、ともかく宗教より芸術が上位、って考えは嬉しい。