<ネタバレ>女たちのひとりごと・愚痴の集大成、といったおもむきのある、四 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>女たちのひとりごと・愚痴の集大成、といったおもむきのある、四組の母娘それぞれのお話。一つ一つはインパクトに欠けても、それらが交響されて味が出てくる。女たちの愚痴は、もっぱら母との関係・夫との関係に集約されていく。いつも母さんの顔色をうかがってた、とか、母が寄せる娘への期待の重たさ、とか。ピアノの特訓、チェスの天才。母と衝突した後、才能が消えているのに気づく。ついつい(白人の)夫に尽くしすぎてしまう娘もいれば、現代風に何でも折半でやっていくのもいて、でもどちらも結婚生活に失敗していく。母の世代では戦争の悲惨があり、そのまた母の世代になると、旧制度の悲惨がある。それらの時代を超えた女性史が、彼女らの中で「愚痴」として漉され、棘を抜かれ、また美しい撮影もあって、男には覗けない世界を魅力的に見せてくれている。それにしても母と娘ってのは、男には謎中の謎、特殊な親密さを感じさせる世界だなあ。父と息子ってのは、もうちょっと吹き抜けてない?