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<ネタバレ>最初のころは、クレールはコメディがいいんじゃないかと思っていたが、だんだんとこういうのの良さも分かるようになってきた。キレよりもコク。これなんか、映画で物語を語ることの最良の成果なんじゃないでしょうか。ほとんどの出来事や脇の登場人物が反復され、あんまりそういうことがキッチリしていると息苦しくなりそうなのに、それを感じさせないようにフランス映画は洒落た感覚を洗練させてきたんだなあ。そういうことを堪能できる映画。スリ一味の場などさながら良質のコントで、しかし彼らもちゃんともう一度、悪役に出世して登場してくる。無駄がない。しかもその変貌には悪女が関係しているので、不自然でない。あるいは小道具としてのジュークボックスの使い方。あるいは窓ぎわのライティングのうまさ。堪能、堪能。