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<ネタバレ>ペストの時代から疫病というのは半分社会問題であった。D・サザーランドが「言ってみれば、この人々は名誉の戦死なのだ」という論理。彼が常に口にする「センチメンタル」という批評、ここらへんに一番の怖さがあった。日本にもよく「センチメンタル」で切り捨てる知事がいるでしょ。多数と少数の問題。多数の側に立てば、あらゆる人道的発想はセンチメンタルとして扱われるだろう。小さな町が軍に封鎖されてからが本筋。なあに脅しだけさ、と逃げた車が容赦なく爆破される。不意に少数の側に区分けされてしまった市民、こっちの側に立てば「センチメンタル」などと言ってられないのだ。そうは言っても多数の側に立てば、やっぱり安全を考えちゃうだろうし。そこらへんの問題。多数はこういった少数の集積であるって考えが大事なんだろうね。アメリカ映画でいいのは、主人公が組織の問題児ってところ。勇気ってことも絡んでくる。それと責任ってことか、責任から逃げない。そういう本筋の健全さが偉い。D・ホフマンをつかまえにきた軍に、レネ・ルッソが「背の高い男よ」と教えるところは、もっと笑っていいんじゃないか。[良:1票]