この線引きセットの趣向は、町のプライバシーのなさや狭さを感じ .. >(続きを読む)
この線引きセットの趣向は、町のプライバシーのなさや狭さを感じさせることでは成功していたが、新手法の映画を見たというより小劇場の舞台中継を見たって気にもなる。評価としては微妙なところ。話は面白い。他者を優しく受け入れる「癒やしのスモールタウン」のおっかなさ。祝福の鐘の音が、奴隷の仕事割りの合図になっていく。単にアメリカの風刺という以上の、たとえば安部公房の世界につながっていくような、集団とよそ者の苛酷な関係を描いた作品と思ったほうがいいんじゃないか。ローレン・バコールの相棒が、ベルイマン映画の常連ハリエッタ・アンデルソンだったのを、見てるときに気づかなかったのは残念。