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<ネタバレ>ボリス・ヴィアンの小説「北京の秋」のアタマを思わせる出だし、またブニュエルの『皆殺しの天使』もヒントになってるようで、あちらはシュールレアリズムがごく自然に日常につながっている。通過地点であるバス停が、巣となって住処に変わっていくファンタジー。前半は、アメリカにもロシアにも頼らずに自力でバスを動かそうっていう政治的メッセージが感じられるが、しだいに純粋なファンタジー性が濃くなる。いちおう夢落ちなのだが、その夢を皆が共通に見てるってとこが大事で、生理現象としての夢と希望としての夢とが重なっている。強欲な缶詰男は夢に参加できなかったし。どうでもいいことだけど、あちら方面の映画の主人公って日本人から見るとすごくニヤケて見えるんだよな(子どもの時「怪傑ゾロ」のガイ・ウィリアムスを見てそう感じたのが最初)。文化によっていい男の基準が違うよい例だろう。