芸術家にとって実生活の鬱陶しさってのがあって、そういうのに関 .. >(続きを読む)
芸術家にとって実生活の鬱陶しさってのがあって、そういうのに関わらずに芸術世界に没入したいという夢を持つが、その芸術の対象に選んだのがまさに「実生活」の少女だった。調理をしたり洗濯したり、芸術家の家の裏で家を支える実生活の部分。苦悩する芸術家って、とかくつまらないのが多いんだけど、演劇的な誇張に見えてしまうからか。名画を実写で撮っていくっていうのには、独特の面白さがある。描きかけのところとか。色の原材料いろいろ。スカーレット・ヨハンソンってポカーンと口を開け気味にしてて、必ずしも色っぽさに収斂されきらない・まだ色っぽいという以前のあどけなさの魅力も合わせ持っている不思議な味わい(むかしのベルイマン映画の常連だったリヴ・ウルマンの唇とちょっと似ている厚ぼったさ。北欧ならではの質感なのか)。ラストで耳飾りを渡されたときの表情が、単純に一つの感情表現に収斂し切れないのと同じで、よい。時代色を楽しむ映画。