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<ネタバレ>スクリーンに登場する怪人たちの中で、ドラキュラ・フランケンシュタインの怪物、の大物ぶりに比べ、狼男はやや弱い。アピールポイントが「満月になると顔に毛が生えます、遠吠えもします」と内向きである。「おまえはけっきょく何をやりたいんだ」と詰め寄りたくなる(日本の昔話で、桃太郎・一寸法師に比べ影の薄い金太郎と同位置にあるようだ。桃太郎らは業績がはっきりしているが、金太郎は子どものときに熊と相撲をとったこと以外はボンヤリしていて、どこか狼男と似ている)。で、この映画。そのぼんやりものの狼男に一本背骨を入れた。狼男とは「中年が若返る」なのだ。疲れが消え、気分爽快、生き生きとなるのである。人間関係の中で疲弊していた中年に、野生の血が紛れ込むのである。匂いに敏感になり、遠くの会話が聞こえるようになる、とリフレッシュとしての狼男化が面白い。あちらキリスト教圏の話は、つまるところ悪玉と善玉の展開になっちゃうところが物足りないけど、何か新しい視点・解釈を導入しようとする姿勢は偉いと思う。主役の二人は『バットマン』シリーズ1作目と2作目の仇役、ジョーカーとキャットウーマンで好演したもの同士、ラストは美女と野獣でもある。J・ニコルソンってこういう役になると本当に楽しそうにやってる。