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<ネタバレ>ジャック・ロンドンって、イデオロギーの枠に囚われることのなかった(枠を超えてしまった)優れたプロレタリア文学作家だったんじゃないか、と「荒野の呼び声」読んだとき思った。底辺労働者の擬人化としてでなく動物を描くことに徹して、労働の底辺部を描ききった。この映画観たら、それに「恋愛作家」という称号も与えられそう。水飲みながら向かい合うイーサン・ホークと「白い牙」、ほとんど一目惚れの電気が走る感覚。それから出会うごとにチロチロと互いに気にしながら惹かれ合っていくなんて、恋の描写ですよ。愛さえあれば種の壁なんて、と言うか。なんか恋愛映画として堪能してしまった。といって擬人化しているわけではない。『小熊物語』なんかよりもちゃんと動物に対する視線があります。母の死の後で世間へ出ていくあたりはいいですな。凶暴になった白い牙がジャックのところで優しさを知るあたり、もっと新鮮な感動を生み出せそうなのに、ディズニー映画の限界内での味わい止まりだったのが残念。ラスト白い牙が現われるとこはジーンとするけどね。究極の純愛映画。