<ネタバレ>ミニシアター系邦画にありがちな、消化不良なままぶつっと切れる .. >(続きを読む)
<ネタバレ>ミニシアター系邦画にありがちな、消化不良なままぶつっと切れる感じのエンディング。もたいさんは死んでしまうのか、さよと青年の間に特別な感情は生まれないのか、小林聡美はタイにとどまるのか、少年の行く末はどうなるのか…台詞は少なく、登場人物たちのバックグラウンドはいまいちよくわからないまま、勿論先のこともほぼわからないまま映画終了。もう少し処理のしようもあっただろうにと思わなくもない。しかし、付け足しの如く説明的な結末だったらそれはそれで違和感が残っただろう。この映画は、映画そのものが「旅」なんだと思う。きれいだとか美味しいとかめいっぱい感じ、刹那の幸せや感動を味わい、あとは思い出が残るだけ。変わろうとか変えようとか、そんな意気込みを持って旅することも勿論あるにはあるのかもしれないが、タイという国にはこの映画のようなとりとめのない旅がぴったりなんだろう。はっきりと形に残るわけでもないが、さよの旅はさよ自身、それから 彼女が係わった人々それぞれの心に何らかの後味を残す。そしてみんな、それぞれの場所で生きていく。それだけでいいと思う。けちをつけるところはいくらでもあるが、帰国して振り返れば、なんとも素敵な「旅」だった。