<ネタバレ>巡り合わせの妙を描いた映画でした。
元々のシンドラーは .. >(続きを読む)
<ネタバレ>巡り合わせの妙を描いた映画でした。
元々のシンドラーは山師的な人物だったようで、仕事は長続きせず、
立ち上げた事業はすべて破綻。食い詰めて流れ着いた先がこの映画の舞台。
映画の中のセリフで、あなたは何の仕事をするのか?と問われ、「コネを作る」
=高級将校と遊び歩く、と答えたように、実務能力は皆無。器用な口先で立ち
回わることに長けた男だったようです。
そんな男が、戦時下という異常事態の中で、平素では決して出会うはずのなかった
有能で実直な会計士との出会いを得、事業を成功させます。
そして成り行きでユダヤ系の人々を助けることに。
どうやら故郷や知人の間では口だけの鼻つまみモノ扱いされていたようで、
そんな人間が成り行きとは言え、人を助け、感謝される喜びをしったのが、
シンドラーのリストに繋がったような気もします。
ゲート少尉に人を許してやれと説いたのも、
慈善と言うより、自己満足や承認欲求から来るもののように感じましたが、
それでも、やらないよりやったことの方が遙かに価値があるのは事実。
実際は,ユダヤ人を雇う際に金を巻き上げたり、
最後の逃亡の際には大金を持ちだしているそうで、
その辺の俗人っぷりも逃げずに描いて欲しかったと思います。
やや聖人君子的に描きすぎている面はあるとはいえ、
見事な力作でした。