<ネタバレ>現代女性の一生を描いた映画のように感じられました。無邪気に親 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>現代女性の一生を描いた映画のように感じられました。無邪気に親元で過ごす幼少期が高校卒業まで。都にあがってからは、進学で都会に出た時期。成年の儀式辺りは就職。求婚者の下りは適齢期。月に帰る場面は家庭に入る、といった場面と対応しているような。特に求婚に関して。軽薄な金持ちや、表面しか見ていない薄っぺらい男、口だけのプレイボーイ、男らしさをはき違えた乱暴者、優しいけれど行動が伴わない男など。よりどりみどりの男を手玉にとっていたはずが、逆に騙され、あるいは傷つけてしまうのは恋愛の甘苦さ。帝は、いつの間にか適齢期を過ぎ、選ぶ立場だったはずが否応なく選ばれる立場になっていたという皮肉めいた状況を表しているような気がします。そして過去にすがってみるものの、帰る場所はなく、最後は望まぬ形で家庭に入った、といった、そんな風に見えてしまいました。