Clint Eastwood映画らしい淡々とした作品だが最後 .. >(続きを読む)
Clint Eastwood映画らしい淡々とした作品だが最後のシーンで大きな疑問を持った。
Youtubeで見ることができるChris Kyleへのインタビュー映像を見ると彼自身がPTSDであったわけではないように思える。
ではこの映画は何なのだ。 Chris Kyleという英雄を使って全ての退役軍人に敬意を表した映画ということなのだろうか。
米国ではプロパガンダという人も多く賛否分かれている。
戦闘シーンに特に目新しさはない、平均点。
主人公がPTSDに苦しむ様子もありきたりな描写。 ほかに描きようがないのだが。
彼に命を救われたという海兵隊員と街中であって礼を言われ、敬礼を受けても冷めた目で見つめるだけのChris。 彼の心が壊れている様子が伺えた。
Chrisが殺される日の朝の出来事が映画で描かれるのだが、これが問題だ。
リボルバーを手に持ち、妻に銃口を向けるのだ。 しかも引き金に指をかけて。
銃の扱いを知る者にはありえない行い。
銃取り扱いの4原則がある
1 全ての銃は弾が装てんされているものして扱え
2 破壊する意図なき物/人/生物に銃口を向けるな
3 射撃準備が整うまで引き金に指をかけるべからず
4 射撃対象を正しく認識せよ、さらにその背後にあるものに気を配れ
作戦行動中も撃つ直前まで引き金に指をかけない、周囲の同僚兵士に銃口が向かないように注意するということは普段無意識にやっている。
にもかかわらず、たとえ冗談でも引き金に指をかけたリボルバーの銃口を妻に向ける。 このシーンに私は戦慄を覚えた。
これは事実なのか、作り話なのか。 ほかの全てより私には衝撃であり、大きな疑問の残るシーンである。
もし作り話なら、やりすぎだ。 映画の価値を貶めてしまったといえる。
今でもYouTubeで見ることができるがChrisがテレビのトークショー(Conan)に出たときの映像がある。 敵に2万ドルの懸賞金をかけられたという話。 しかし当時は全てのスナイパーに懸賞金がかけられたという。 だが彼はやはり特別で任期中に160人もの確認戦果をあげるほどの腕前。 未確認を含めればもっと多くなる。 最終的に彼への懸賞金は8万ドルまで上がった。 Chrisは、妻がこれを知って自分のことを敵に売るかもしれないから引退したんだと笑いながら司会者に語った。 強烈なジョークだ。 ほかにも多くのインタビュー映像が残されているが彼がPTSDであることを否定するような言葉も残している。