<ネタバレ> huluにて視聴。
兄役の香川さんが何であんなしゃべり .. >(続きを読む)
<ネタバレ> huluにて視聴。
兄役の香川さんが何であんなしゃべり方を選んだのかわかりませんが、あのしゃべり方は典型的な発達障害の人のしゃべり方なので、最初は「ああ、この映画はレインマン的なあれだな…」と思いました。
そして、巨乳かつその道では強烈なS性を発揮していることでお馴染みの真木さんに、M性の権化の事務員服で巨乳を閉じ込めさせることで否が応でもエロスを感じさせて、「東京に帰る前に一発やっておくか!」と弟が考えてもしょうがないでしょ、と視聴者に納得させる演出力は流石なのでしょうか。
この映画は本当に吊り橋のように心境が揺れ続けます。そして、そこには数多くの対比があります。兄と弟、伯父と父、都会と田舎、モテと非モテ。視聴者はその何処かに身の置き場を探そうとしますが、演出によって足場をぐらつかせられるのです。
私には、母親を継父に取られ、よりを戻せないかとカマをかけた元カレにあっさり捨てられ、最後にしがみつこうとした足場が田舎という監獄に閉じ込められた象徴のような非モテ男だった真木さんは、爪で引っ掻いて自分で命を断ったように受け取りました。
様々な受け取り方のできる奥深い映画でした。
それでも減点ポイントがありまして、それは香川さんの非モテ男の描き方が全然ダメなところです。監督は間違いなくモテ側の男しか知らない人間でしょう。
特に、あの部屋。あの部屋にヲタ臭が全くない。非モテ男には仮に金がないとしても時間は腐るほどあるんです。母親生きてた時は家事してなかったくせに、オマエの部屋にはラジカセしかねーぞ。いや、もしかしたら「僕はレガシーデバイスにこだわってるんです。」ってタイプだったのかしら。カセットテープはメタルしか使いません系か?いかにもAIWAのラジカセっぽかったがなぁ。
ということで、あの部屋にヘッドフォンアンプに繋がれたゼンハイザーのヘッドフォンがかかった自作パソコンがおいてあり、アイマスのポスターが貼ってあったり、カラーボックスの上に墨入れされたガンプラが飾ってあったり、寝間着がヴァンフォーレ甲府のユニフォームであったり、本棚にこち亀が全巻置いてあったりしたらもう少し点が上でした。
おそらく最後の笑顔は、刑務所での7年間を思い出して、「ホモ以外は帰ってくれないか」という思いが巡っているのだと思うことにします。