<ネタバレ>キャッチコピー通り、「日本VSゴジラ」の死闘を描き切った快作 .. >(続きを読む)[良:4票]
<ネタバレ>キャッチコピー通り、「日本VSゴジラ」の死闘を描き切った快作だと思う。
ハリウッド映画的な飛びぬけたヒーローはおらず、あくまで官僚”たち”、自衛隊員”たち”、科学者”たち”、政治家”たち”、といった
集団の力の集合が未知の脅威ゴジラを打ち負かすところが何より日本的だ。
やたらめったら集めた「328+1」人の豪華出演者は最初「大丈夫か?」と思ったが、そういう有名人が”端役”となって出てくると
個々にパワーを持った彼らでさえ「石垣の中のほんの一つの石」にしてしまう「”集団”というものの力強さ」が浮き上がってくる。
高度経済成長を象徴する新幹線や在来鉄道車両が自走ミサイルとなってゴジラの足元を崩し、
ゴジラより高くそびえる超高層ビル群が崩れかかってその巨体を押しつぶさんとする。
(62年前、日本の建物はゴジラに踏みつぶされる障害物でしかなかった。今の高層ビル群はまさに
半世紀強の間にゴジラを追い抜いた日本の暗喩ともとれないだろうか?)
そして勝負を決めるのは日本が世界に発信する<OTAKU>たちの作戦であり、それを裏から支えるのは日本をしょって立つ
弱腰でありながら老獪な政治家たちだ。
まあ、米軍の力や海外のスパコンを借りたりする場面もあるが(^^;)おおむね”日本という国、日本人の力”が
ゴジラという外敵に打ち克ったストーリーは、右翼左翼といった偏狭な考え方とは別の次元で純粋に血をたぎらせてくれる。
この作品に出てくる日本人たちはある部分はリアルであり、ある部分はマンガチックな理想像(フィクション)である。
その両極端な像が絶妙のバランスで融合され、僕にはそれが非常に楽しかった。
日本人として、オタクとして、庵野秀明という才能と同時代に生きられたことを至福に思える120分間だった。[良:4票]