<ネタバレ>僕は子供の頃から漫画家志望で、中学時代、昔の超マイナーマンガ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>僕は子供の頃から漫画家志望で、中学時代、昔の超マイナーマンガのアイデアをパクって漫画賞に応募したこともあります。
それは幸い(?)にも最終選考で落ちましたが、後になって思えば、もしそんな作品で賞を取ったとして、クラスメートに自慢できたとしても、どれだけの後ろめたさと、「バレたらどうしよう」という不安にさいなまれた事でしょう。そんな黒歴史を持つ僕にとっては、この映画の興味は「ビートルズ不在の世界」よりも、他人の名作をパクったミュージシャンがどう自分の心と折り合いをつけるのか、どういう結末を迎えるのかにありました。
最初こそ躓くものの、エド・シーランとの邂逅をきっかけに、一気にスタ-ダムを駆け上がっていくジャック。そのために大事な幼馴染と別れ、時に「結局は「盗作」で名声を得ている事」に悩みながら、それでも一度乗った「スターという列車」からは下りられないジャック。それでいいのか!?
結局、終盤に出てきた「彼以外にビートルズを覚えていた人物たち」から贈られた予想外の言葉と「あの人」との出会いによって、はっきりと自分が進むべき道を悟ったジャックがとった行動は、観る人によっては「それで全部済ませる気か!!(怒)」という大迷惑かつ大甘なものだったかもしれません。それでも僕にとっては、彼が出来る限りの誠実さで「ビートルズのない世界」に恩返しした、最高の贈り物だと思えたのでした。