北野武のイマジネーションが、映像として極めて明瞭に具現化され .. >(続きを読む)
北野武のイマジネーションが、映像として極めて明瞭に具現化された傑作。
タレントとして、あまりに有名になりすぎた北野武が、「もし自分が垢抜けない凡人だったら」と想いをめぐらし、それを現在の姿と対比させて表現していく。
武の「凡人であったら、さぞかし気楽であろうに・・・」という、ないものねだり的な一種の願望を、スクリーンに映し出したのだ。
そして単純に楽しめる部分として、武のコンビニ店員姿。
これが意外にもサマになっていて、武って結構マジでコンビニ店員に憧れてるのでは?と感じてしまった程だ。
武のいるコンビニに行きたい。
そして武に「弁当温めますか?」と、やる気なさそうに聞かれてみたい。
又、この作品を観て思うに、人はどんなに社会的・経済的に満たされても、どこがで不満を持ってしまう生き物なんだということ。
この社会において、武の様に超有名人である人間は、ごく一握りなわけで、その様な位置にいる人間が持つ、深い部分での心理って、理解しがたいものがある。
それらの人達が持つ矛盾や心の闇、悩み、願望などを、本作を通して体感することができた。