<ネタバレ>結果的に戻ってきたとはいえ、女が自分の赤ちゃんを売り飛ばそう .. >(続きを読む)
<ネタバレ>結果的に戻ってきたとはいえ、女が自分の赤ちゃんを売り飛ばそうとした男を許すはずがない。
一線を超えたヤバい事を、この男はしてしまった。
でも女は刑務所にいる男に会いに来た。
このラストシーンは、加害者が深く反省し己の行為を悔いているならば、救いの手を差し伸べたいという、ダルデンヌ監督の気持ちの現れではなかろうか。
犯罪者を決して許すべきではないという意見もあるだろうが、この監督はそれに疑問を投げかけている。
犯罪者にも人権はある、そして更生の道を残すべきだと監督は言いたかったのだろう。
自分がこの女の立場なら、子どもを売られたら絶対に許さないだろう。
だけど一歩引いて見てみると、許すという道もあるのかもしれない。
ただ、それを許すのはとても難しいことだ。
この男は許されるべきか許されざるべきか。
本作を通してダルデンヌ兄弟はそれを訴えたかったに違いない。
カンヌパルムドールは、本作が発するこの社会的メッセージに対する評価ではなかろうか。