<ネタバレ>主演は、アンナ・マニャーニ。
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<ネタバレ>主演は、アンナ・マニャーニ。
アンナ・マニャーニ演じる女性は、まさに“肝っ玉母さん”といった役どころを演じている。
この役どころは前出の『ベリッシマ』とほぼ同じ感じ。
ところがこの女性、事情があって娼婦をしている。
若い頃、ろくでなしの男を好きなり、貢ぐ為に若い頃から娼婦をしていたのだ。
そのろくでなし男を演じたのが、パゾリーニ作品の常連フランコ・チッティ 。
大好きな俳優だ。
このチッティは、マニャーニと縁が切れた後も、
「俺がヒモになったのはアンタのせいだ。責任を取れ。恩を忘れたのか!」
と、マニャーニに迫る。
マニャーニには16歳になる息子がいて、それまで別居していたが、この度同居することになった。
それで娼婦から足を洗うことを決心したのだが、その弱みにつけ込み、
「息子に娼婦だったことをばらされたくなかったら、おとなしくまた娼婦の仕事に戻って貢げ!」
とチッティはマニャーニに脅迫する。
凄いろくでなし男チッティ。
大好きなフランコ・チッティだけど、どうも精彩を欠いていたような気がする。(役柄はいつも通りの感じだけど。)
他のパゾリーニ作品では、あの割れたアゴといい、ニヤけた顔つきといい、魅力と個性が存分に発揮されていたが、本作ではどうにも魅力の発散度が弱い。
あと、ラストは○○な悲劇的展開に向かうんだけど、これもどうも唐突すぎた感があった。
作品全体としても『アッカトーネ』ほどのレベルには到ってないように感じたし、フランコ・チッティにしても、その魅力が半減している。
この少年を誘惑する女性が登場するのだが、この魅惑のおねえさんを演じたのがシルヴァーナ・コルシーニ。
これが何とも魅力的!
純朴な少年を性的に誘惑する役どころを演じているのだが、そのコケティッシュな魅力が見事にツボにはまっていて素晴らしい。
思春期の純情な少年が、こんな感じの近所のおねえさんに誘惑されたらイチコロだろう。
手を引っ張られるまま、本作の主人公と同じように穴倉に向かうに違いない。
いいなー。
(こんな感じでレビューを締めるのもどうかと思うけど、まあいいでしょう。)