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<ネタバレ>あらゆるエログロ要素が詰め込まれた、エログロ百科事典の様な作品。
言わば、エログロ世界の宝石箱。
200分を超える長編だが、その分見応えも十分。
長くは感じたが、話が進むほどに、少しずつ登場人物たちに感情移入していく感覚をおぼえた。
この感覚が案外、新鮮。
この点において、200分を超える長尺も意味があると感じられた。
映像はシャープかつ綺麗。
展開も奇抜で、園子温監督の特性がよく出ている。
『奇妙なサーカス』や『紀子の食卓』などの、この監督の他の作品と同じ色合いを感じた。
個人的には、女装した男に惚れるという、少しメルヘンな内容が好きになれなかった。
突飛な女子高生のアクションシーンもどこか浮いた印象はぬぐえない。
しかーし、やっぱりこの監督は、無意味なエロスが最大の魅力。
「エロければそれで良い」
そう割り切って観れば楽しめるだろう。
幼少期に、父親に性的虐待を受けた女のコ。
それがトラウマとなって、男嫌いになる。
園子温監督は、こういう設定がたまらなく好きらしい。
まさに監督そのものが変態だ。
変態監督だからこそ描くことのできる、めくるめく変態ワールド。
変質に偏執した世界観。
そして、この性的虐待を行う父親役を演じた板尾創路が見事にハマり役。
女子高生となった娘に乗っかる、暴力をふるう・・・極楽の山本でも良かったかもしれないが。
終盤にかけてのたたみかけは気合い十分。
キチガイになってしまった主人公の青年。
その青年を呼び覚まそうと涙する女子高生。
光り輝く素晴らしい最終章だった。